歯茎が下がるのは老化のサイン?原因を知って見た目の印象UPへ

文京区後楽園駅・飯田橋駅から徒歩5分の歯医者・矯正歯科「文京いわぶち歯科・矯正歯科」です。
鏡を見て「歯が長くなった気がする」「なんだか口元が老けて見える」と感じたことはありませんか?もしかしたら、それは歯茎が下がっているサインかもしれません。歯茎が下がると聞くと、多くの方が「年だから仕方ない」と思いがちですが、実は加齢だけが原因ではありません。20代や30代の若い世代でも歯茎が下がるケースは少なくなく、その背景には日々の生活習慣に潜む意外な原因が隠されていることもあります。
この記事では、歯茎が下がる原因は何か、もし放置するとどのようなリスクがあるのか、そして、ご自宅でできる予防策から歯科医院での専門的な治療法まで、歯茎下がりに関するあらゆる情報を分かりやすく解説します。正しい知識を身につけ、適切なケアを行うことで、見た目の印象を改善し、健康な口元を保つことが可能です。ご自身の口元の変化に気づき、不安を感じている方は、ぜひ最後までお読みいただき、自信の持てる笑顔を取り戻すための一歩を踏み出しましょう。
「歯茎が下がってきたかも…」そのお悩み、老化だけが原因ではありません
歯茎が下がって歯が長く見えるようになると、「やっぱり年を取ったせいかな」と感じてしまう方は少なくありません。確かに加齢とともに歯茎の弾力性が失われたり、歯を支える骨が痩せてきたりすることもありますが、歯茎が下がる現象は、決して老化現象だけで片付けられるものではありません。
実際には、20代や30代といった比較的若い世代の方でも、歯茎下がりで悩むケースは多く見られます。その背景には、歯周病の進行、間違った歯磨きの仕方、歯ぎしりや食いしばりによる過度な負担、さらには喫煙などの生活習慣や歯並びの問題など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。これらの原因は、適切な対処をしないと、年齢に関わらず歯茎の退縮を招いてしまう可能性があるのです。
ご自身の歯茎が下がってきたと感じたら、それは単なる老化のサインではなく、口の中で何らかのトラブルが起きている可能性を示唆しています。原因を正しく理解し、それに応じた対策を講じることが、歯茎の健康を守り、将来的なトラブルを防ぐために非常に重要です。
まずはセルフチェック!あなたの歯茎は大丈夫?
ご自身の歯茎の状態は、日々の生活の中で確認できます。もしかしたら歯茎が下がり始めているかもしれません。以下の項目に当てはまるものがないか、ぜひチェックしてみてください。
以前よりも歯が長くなったように感じる
冷たいものや熱いものが歯にしみる
歯と歯の間に以前はなかった隙間ができてきた
歯磨きをするたびに出血がある
歯茎が赤く腫れていたり、ぶよぶよしていたりする
口臭が以前より気になるようになった
これらのサインは、歯茎下がりや、その主な原因となる歯周病の兆候である可能性があります。特に複数の項目に当てはまる場合は、注意が必要です。ご自身の口元の健康状態を見つめ直すきっかけとして、ぜひ参考にしてください。
歯茎が下がるとどうなる?放置することで起こりうる5つのリスク
歯茎が下がるという現象は、単に見た目が気になるだけでなく、口の中のさまざまなトラブルを引き起こすリスクがあります。問題を放置してしまうと、思わぬ形で歯の健康を損ねてしまうかもしれません。このセクションでは、歯茎下がりが進行することで起こりうる5つの具体的なリスクについて詳しく解説していきます。ご自身の歯と口の健康を守るために、ぜひ参考にしてください。
リスク1:歯が長く見え、老けた印象を与えてしまう
歯茎が下がると、歯の根元部分が露出し、歯の見える面積が以前よりも広くなります。これにより、本来よりも歯が長く見えるようになります。特に前歯の歯茎が下がると、笑顔になったり会話をしたりする際に、口元の印象に大きく影響し、実年齢よりも老けて見られる原因となることがあります。多くの方が「歯の見た目=若々しさ」と感じていらっしゃるかと思いますので、歯茎下がりの見た目の変化は、ご自身の自己肯定感の低下にもつながりかねません。
リスク2:冷たいものがしみる「知覚過敏」になる
歯茎が下がると、これまで歯茎に覆われていた歯の根元部分、すなわち象牙質が露出してしまいます。象牙質は、歯の表面を覆うエナメル質とは異なり、神経へとつながる非常に細い管(象牙細管)が無数に通っています。この象牙細管を通じて、冷たい飲み物や熱い食べ物、あるいは歯ブラシの毛先が触れるといった刺激がダイレクトに神経に伝わり、「キーン」とした不快な痛み、いわゆる「知覚過敏」を引き起こします。知覚過敏は、食事や飲水といった日常生活のささいな行動に不快感をもたらし、QOL(生活の質)を低下させてしまうことがあります。
リスク3:歯の根元が露出し、虫歯になりやすくなる
歯茎が下がって露出した歯の根元部分(象牙質)は、歯の表面を覆うエナメル質と比較して、構造が柔らかく、酸に対する抵抗力が非常に低いという特性があります。そのため、この部分が口の中の酸にさらされると、通常の歯の表面よりもはるかに早く溶けてしまい、虫歯(根面う蝕)になりやすくなります。根面う蝕は、進行が早く、自覚症状が出にくいことも少なくありません。また、一度発症すると治療が難しくなるケースも多いため、歯茎下がりによる根元の露出は、虫歯リスクの著しい増加を意味します。
リスク4:食べ物が挟まりやすくなり、口臭の原因に
歯茎が下がると、歯と歯の間に本来なかった三角形の隙間、「ブラックトライアングル」と呼ばれる空間ができてしまいます。この隙間は、食後に食べ物のカスが非常に挟まりやすい場所となり、さらに歯ブラシの毛先が届きにくいため、きれいに清掃することが困難です。挟まった食べカスは口の中に長時間留まり、細菌が繁殖する温床となってプラーク(歯垢)を形成します。この細菌が分解される際に発生する揮発性硫黄化合物などが、不快な口臭の直接的な原因となるのです。
リスク5:進行すると歯がグラグラし、最終的に歯を失うことも
歯茎下がりが、歯を支える骨である歯槽骨(しそうこつ)の破壊を伴う歯周病のサインである場合、最も深刻なリスクに直面することになります。歯周病が進行すると、細菌感染によって歯槽骨が徐々に溶かされていき、歯をしっかりと支える土台が失われてしまいます。その結果、歯がグラグラと揺れ始め、食事や会話に支障をきたすようになります。最終的には、歯槽骨の喪失が限界に達し、自然に歯が抜け落ちてしまったり、やむを得ず抜歯せざるを得なくなったりする危険性があります。歯周病は、日本人が歯を失う原因の約8割を占めるとも言われており、歯茎下がりを放置することは、将来的に歯を失うという重大な結果につながりかねません。
歯茎が下がるのはなぜ?加齢以外に考えられる主な原因
歯茎が下がるという現象は、多くの方が「年だから仕方ない」と考えがちですが、実はその原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っています。加齢も確かに一因ではありますが、それ以上に私たちの日常の習慣や口の中の状態が大きく影響しているケースが少なくありません。このセクションでは、歯茎が下がる主な原因について詳しく解説していきます。ご自身の生活習慣と照らし合わせながら、何が当てはまるのかを一緒に確認していきましょう。
原因1:歯周病の進行
歯茎が下がる最大の原因としてまず挙げられるのが、歯周病です。歯周病とは、歯と歯茎の境目に溜まるプラーク(歯垢)の中にいる細菌が原因で、歯茎に炎症が起こる病気です。初期の段階では歯茎が赤く腫れたり、歯磨きの際に出血したりといった症状がみられます。
この炎症が進行すると、細菌が歯を支えている骨(歯槽骨)を徐々に溶かしてしまいます。歯槽骨は歯茎の土台となっているため、骨が溶けてなくなると、それに伴って歯茎も一緒に下がってしまうのです。進行すると歯がグラグラしたり、最終的には歯を失ってしまう可能性もある、非常に深刻な病気です。
歯周病による歯茎の後退は、単に見た目の問題だけでなく、冷たいものがしみる知覚過敏や、虫歯になりやすくなるといった、さまざまな口内トラブルを引き起こします。自覚症状がないまま進行することもあるため、「サイレントディジーズ(静かなる病気)」とも呼ばれています。
原因2:強すぎるブラッシング(オーバーブラッシング)
毎日欠かさず歯磨きをしているのに、なぜか歯茎が下がってきているという方は、もしかしたらその磨き方に問題があるかもしれません。良かれと思ってゴシゴシと力を入れて磨く「オーバーブラッシング」は、歯茎に大きなダメージを与えてしまうことがあります。
硬すぎる歯ブラシで強い力で磨きすぎると、歯茎の組織が物理的に削り取られてしまい、徐々に後退していきます。特に、歯と歯茎の境目を力を入れて磨きがちな方は注意が必要です。「磨いた感」を得たい気持ちから、ついつい力が入ってしまうこともあるかと思いますが、歯茎にとっては大きな負担となります。
オーバーブラッシングによる歯茎の後退は、歯の表面にあるエナメル質も削ってしまうことがあり、歯の根元が露出して知覚過敏を引き起こしたり、虫歯になりやすくなったりするリスクもあります。正しいブラッシング方法を身につけることが、歯茎の健康を守る上で非常に重要です。
原因3:歯ぎしり・食いしばり、噛み合わせの不調
無意識のうちに行っている歯ぎしりや食いしばり(ブラキシズム)も、歯茎が下がる原因となることがあります。歯ぎしりや食いしばりによって、歯にはご自身の体重の何倍もの過剰な力が継続的にかかります。この強い力が特定の歯に集中すると、歯を支える骨や歯茎に負担がかかり、歯がグラグラと揺れる原因となります。
歯が揺さぶられることによって、歯を支えている骨が吸収されてしまい、それに伴って歯茎も後退してしまうというメカニズムです。特に、夜間の睡眠中に無意識のうちに行われることが多いため、ご自身では気づきにくい点が厄介です。朝起きたときに顎が疲れている、頭痛がするといった症状がある場合は、歯ぎしりや食いしばりがあるかもしれません。
また、歯並びが悪く、一部の歯にだけ強い力がかかってしまうような噛み合わせの不調も、同様に歯茎に負担をかけ、後退を引き起こす原因となります。このような場合は、噛み合わせの調整やナイトガード(マウスピース)の装着で、歯や歯茎への負担を軽減することが可能です。
原因4:喫煙などの生活習慣
喫煙は、お口の中、特に歯茎に深刻な悪影響を及ぼす生活習慣の一つです。タバコに含まれるニコチンやタールといった有害物質は、血管を収縮させる作用があります。これにより、歯茎への血流が悪くなり、歯茎の抵抗力や免疫力が低下してしまいます。
血流が悪くなった歯茎は、健康な歯茎に比べて酸素や栄養が行き渡りにくくなるため、歯周病菌に対する抵抗力が弱まります。その結果、歯周病にかかりやすくなるだけでなく、一度歯周病にかかるとその進行を早めてしまうことが分かっています。さらに、血流が悪いと歯周病のサインである出血が起こりにくくなるため、ご自身で歯周病の進行に気づきにくくなるという問題もあります。
また、喫煙は歯茎を黒ずませる(メラニン色素沈着)原因にもなり、審美的な問題を引き起こすこともあります。健康面はもちろん、口元の見た目にも悪影響を与える喫煙は、歯茎の健康を考える上でぜひ見直したい習慣と言えるでしょう。
原因5:歯並びの問題や不適切な矯正治療
歯並びの乱れも、歯茎が下がる原因となることがあります。特に、一部の歯が他の歯よりも大きく外側や内側に飛び出している場合、その歯の周りの歯茎や骨が薄くなりがちです。このような状態の歯は、歯ブラシの毛先が届きにくく、プラーク(歯垢)が溜まりやすいため、歯周病のリスクが高まります。結果として歯周病によって歯茎が下がってしまうことがあります。
さらに、歯列矯正治療が原因で歯茎が下がってしまうケースも存在します。矯正治療では歯に力を加えて動かしていきますが、この力が強すぎたり、歯を動かす計画が適切でなかったりすると、歯を支える骨や歯茎に過度な負担がかかり、歯茎が後退してしまう可能性があります。特に、元々歯茎や骨が薄い部分に強い力が加わると、歯茎下がりのリスクが高まると言われています。
しかし、適切に行われた矯正治療は、歯並びを改善することで歯磨きがしやすくなり、歯周病のリスクを減らす効果も期待できます。矯正治療を検討されている方は、事前に歯科医師と十分に相談し、歯茎の状態なども含めてリスクとメリットを理解することが大切です。
原因6:ホルモンバランスの乱れ(妊娠・更年期など)
女性の場合、ホルモンバランスの変動が歯茎の健康に影響を与えることがあります。特に、妊娠中や更年期には女性ホルモンの分泌量が大きく変化し、これが歯茎の組織に影響を及ぼすことが知られています。例えば、妊娠中は特定の歯周病菌が活発になりやすく、歯茎が炎症を起こしやすくなる「妊娠性歯肉炎」と呼ばれる状態になることがあります。
妊娠性歯肉炎では、歯茎が腫れたり、出血しやすくなったりといった症状が現れます。このような炎症が慢性的に続くことで、歯茎の組織にダメージが蓄積し、結果として歯茎が下がるきっかけになることがあります。また、更年期においてもホルモンバランスの変化により、唾液の分泌量が減少したり、歯茎の抵抗力が低下したりすることがあり、歯周病の悪化や歯茎の下がりにつながる可能性が指摘されています。
これらの期間は、ご自身の体調の変化だけでなく、お口の中のケアにもいつも以上に注意を払うことが重要です。定期的な歯科検診と、ご自身の状態に合わせた丁寧なセルフケアを心がけることで、ホルモンバランスの変動による歯茎への影響を最小限に抑えることができます。
これ以上後退させない!今日からできる歯茎下がりの予防とセルフケア
歯茎下がりは、一度気になり始めると「これ以上悪化させたくない」「何とか食い止めたい」と強く願う方がほとんどではないでしょうか。実際に、歯茎の下がりを放置するとさまざまな口内トラブルや見た目の変化につながるリスクがあります。しかし、ご安心ください。歯茎の下がりの進行を食い止め、健康な状態を維持するために、今日から実践できる予防法やセルフケアはたくさんあります。これまでにご説明した歯茎下がりが起こる原因を理解した上で、日々の習慣を見直すことが、ご自身の口元に自信を取り戻すための第一歩となるでしょう。
このセクションでは、ご自宅で手軽に始められる効果的なセルフケア方法を具体的にご紹介します。正しいブラッシング方法から、歯ブラシ以外のデンタルツールの活用、そして体の内側から歯茎の健康を支える食生活や生活習慣の改善まで、多角的なアプローチで解説していきます。ご自身のライフスタイルに合わせてできることから取り入れていただき、健やかな歯茎を維持する手助けになれば幸いです。
毎日の習慣を見直す:正しいブラッシング方法
歯茎が下がる原因の一つに、良かれと思って毎日行っている歯磨きの方法が、実は歯茎を傷つけている「オーバーブラッシング」があります。硬い歯ブラシでゴシゴシと力を入れて磨く習慣は、歯茎に物理的なダメージを与え、少しずつ後退させてしまう原因となります。そのため、歯茎の下がりを予防し、これ以上悪化させないためには、まず日々のブラッシング方法を見直すことが非常に重要です。
正しいブラッシング方法のポイントは大きく4つです。1つ目は「歯ブラシの選び方」です。毛先が柔らかく、ヘッドが小さいものを選びましょう。これにより、細かい部分まで毛先が届きやすく、歯茎への負担も軽減されます。2つ目は「持ち方」です。鉛筆を持つように軽く握る「ペングリップ」がおすすめです。これにより、余計な力が入りにくくなります。3つ目は「当てる力」です。毛先が広がらない程度の軽い力で磨くことを意識してください。一般的な目安としては、100g〜200g程度の力と言われています。4つ目は「動かし方」です。歯ブラシを大きく動かすのではなく、歯1本~2本分くらいの範囲で小刻みに優しく動かすようにしましょう。
特に、歯と歯茎の境目は汚れがたまりやすく、同時にデリケートな部分です。歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、小刻みに振動させるように磨く「バス法」なども効果的です。この方法で優しく丁寧に磨くことで、歯周ポケット内のプラークを効率的に除去し、歯茎へのダメージを最小限に抑えられます。力任せに磨くのではなく、優しさと丁寧さを心がけることが、歯茎の健康を守る上で何よりも大切です。
歯ブラシだけでは不十分!歯間ブラシ・フロスの活用
毎日の丁寧な歯磨きは非常に大切ですが、実は歯ブラシだけでは、歯と歯の間に残るプラーク(歯垢)の約6割程度しか除去できないと言われています。これは、歯ブラシの毛先が届きにくい、歯と歯の間や歯周ポケットの奥に汚れが残りやすいためです。これらの残ったプラークが歯周病の原因菌を繁殖させ、歯茎の下がりをさらに進行させてしまうリスクを高めます。
そこで、歯ブラシでは届かない部分の汚れを効果的に除去するために、ぜひ活用していただきたいのがデンタルフロスや歯間ブラシといった補助清掃具です。デンタルフロスは、主に歯と歯が接している部分の狭い隙間のプラークや食べカスを取り除くのに適しています。一方、歯間ブラシは、歯と歯の間の比較的広い隙間や、歯茎が下がってできた隙間(ブラックトライアングル)の清掃に効果を発揮します。
それぞれのツールの特徴を理解し、ご自身の口内環境に合わせて選ぶことが大切です。デンタルフロスは、ホルダー付きタイプや糸巻きタイプがあり、慣れないうちはホルダー付きタイプから始めるのがおすすめです。歯間ブラシはサイズが複数あるため、歯科医院でご自身に合ったサイズを確認してもらうと良いでしょう。毎日完璧に行うのが難しいと感じる方は、まずは2~3日に1回からでも良いので、少しずつ習慣に取り入れてみてください。継続することで、口の中の清潔度が格段に向上し、歯茎の健康維持に大きく貢献します。
体の内側からケア:食生活と生活習慣の改善
歯茎の健康は、お口の中のケアだけでなく、体の内側からのアプローチも非常に重要です。歯茎を構成する組織や、歯周病への抵抗力を高めるためには、バランスの取れた食生活と規則正しい生活習慣が欠かせません。例えば、歯茎の主要な構成成分であるコラーゲンの生成を助けるビタミンCは、パプリカやブロッコリー、いちごなどに豊富に含まれています。また、血行を促進し、歯茎の新陳代謝を活発にするビタミンEは、ナッツ類やアボカドなどに多く含まれており、積極的に摂ることをおすすめします。
食生活だけでなく、喫煙習慣の見直しも非常に重要です。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、歯茎への血流を悪化させます。これにより、歯茎の抵抗力が低下し、歯周病にかかりやすくなるだけでなく、一度発症すると進行も早くなってしまいます。健康な歯茎を維持するためには、禁煙を検討することが、セルフケアの中でも特に大きな効果を発揮するでしょう。加えて、十分な睡眠やストレスを適切に管理することも、全身の免疫力を高め、結果として歯茎の健康を守ることにつながります。
これらの生活習慣の改善は、歯茎だけでなく全身の健康にも良い影響をもたらします。歯茎の下がりを食い止めるための一歩として、日々の食生活やライフスタイルを見直し、体の内側からケアしていく意識を持つことが、長期的な口元の健康を維持する上で非常に大切です。
セルフケアで歯茎は元に戻る?知っておきたい限界点
ここまで歯茎下がりを予防するための様々なセルフケア方法をご紹介してきましたが、皆さまの中には「セルフケアだけで、下がってしまった歯茎が元に戻るのだろうか?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。この点について、正直にお伝えしますと、正しいセルフケアを実践することで、歯茎の炎症を抑え、これ以上の歯茎の退縮を防ぐことは十分に可能です。
しかし、一度下がってしまった歯茎や、歯を支える歯槽骨(しそうこつ)といった組織が、セルフケアだけで完全に元の状態に戻ることは非常に難しいのが現状です。これは、歯茎の組織が一度失われると、自然治癒力だけでは再生が困難であるためです。例えば、歯周病によって溶けてしまった骨や、退縮してしまった歯茎は、残念ながらご自宅でのケアだけでは回復させることができません。
そのため、歯茎の下がりがすでに進行している場合や、見た目の改善、知覚過敏といった症状を根本的に解決したい場合は、セルフケアだけでは限界があります。このようなケースでは、歯科医院での専門的な診断と治療が必要不可欠です。歯科医師や歯科衛生士は、現在の歯茎の状態を正確に把握し、原因に応じた適切な治療法を提案してくれます。失われた組織を回復させる治療法も存在するため、セルフケアで改善が見られない、あるいはより積極的な治療を希望される場合は、迷わず歯科医院を受診することをおすすめします。
下がった歯茎はどう治す?歯科医院での専門的な治療法
セルフケアだけでは限界があるとお伝えしましたが、実際に歯茎が下がってしまった場合や、その進行を止めたいと考えるとき、歯科医院ではどのような治療が行われるのでしょうか。一口に「治療」といっても、その原因や歯茎の退縮の程度によって、様々な選択肢があります。ここでは、皆さんが抱えているかもしれない「歯医者で何をされるんだろう」という不安を少しでも和らげるために、具体的な治療法を分かりやすく解説していきます。治療はまず、歯茎が下がる原因を根本から取り除くことから始まり、その上で、必要に応じて失われた歯茎や歯槽骨を補う処置へと進んでいきます。
まずは原因の除去から:歯周基本治療(クリーニング・歯石除去)
歯茎が下がる原因が歯周病である場合、歯科医院で行われる治療の基本となるのが「歯周基本治療」です。これは、歯周病の原因となっているプラーク(歯垢)や歯石を徹底的に除去し、歯茎の炎症を抑えることを目的とします。
具体的には、歯科衛生士による専門的なクリーニング「PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)」が行われます。これは、普段の歯磨きでは落としきれない歯の表面や歯周ポケット(歯と歯茎の境目の溝)の汚れを、専用の器具を使って徹底的にきれいにします。また、「スケーリング」と呼ばれる歯石除去も重要な治療の一つです。歯石は歯ブラシでは除去できないほど硬く固まった細菌の塊で、これが歯周ポケットの奥深くにまで付着していると、歯茎の炎症をさらに悪化させます。スケーラーという器具を使ってこれらの歯石を丁寧に取り除くことで、歯茎の炎症を改善し、歯周病の進行を食い止める土台を作ります。
これらの歯周基本治療は、ほとんどの場合、健康保険が適用される基本的な処置です。まずはこのステップで口の中を清潔な状態に戻し、歯茎の健康を取り戻すことが、あらゆる治療の出発点となります。
失われた組織を補う:歯周組織再生療法・歯肉移植術
歯周病が進行して歯を支える歯槽骨や歯茎が大きく失われてしまった場合、あるいは審美的な改善を強く希望される場合には、より専門的な外科的治療が検討されます。
「歯周組織再生療法」は、歯周病によって溶かされてしまった歯槽骨や歯根膜といった歯周組織の再生を促す治療法です。代表的なものに、特殊な膜を置いて骨の再生スペースを確保する「GTR法」や、歯周組織の再生を助ける薬剤(エムドゲインなど)を患部に塗布する「エムドゲイン法」があります。これらの治療は、歯の周りの組織を回復させることで、歯の安定性を高め、歯茎がさらに下がるのを防ぐことを目指します。
また、失われた歯茎そのものを補う治療として「歯肉移植術」があります。これは、主に上顎の口蓋(口の天井部分)などからご自身の健康な歯肉を採取し、歯茎が下がって露出した部分に移植する手術です。例えば、歯の根元が露出して長く見えてしまう場合や、知覚過敏がひどい場合、歯磨きで痛みを感じる場合に適用されます。歯肉の厚みを増やすことで、審美性の改善だけでなく、歯根の保護や知覚過覚の軽減にもつながります。これらの高度な治療は、適応できる症例が限られることや、健康保険が適用されない自費診療となる場合が多い点にご留意ください。
負担を軽減する:噛み合わせの調整・マウスピース作製
歯ぎしりや食いしばり(ブラキシズム)、または歯並びの悪さからくる噛み合わせの不調が歯茎が下がる原因となっている場合には、歯や歯茎にかかる過度な負担を軽減する治療が行われます。
「咬合調整」は、特定の歯に集中している噛み合わせの力を均等に分散させるために、歯の表面をごくわずかに削って調整する治療です。これにより、歯や歯周組織への負担を減らし、歯茎の退縮の進行を抑制する効果が期待できます。非常に精密な調整が必要となるため、歯科医師の専門的な診断と技術が求められます。
また、就寝中の歯ぎしりや食いしばりはご自身で意識的に止めることが難しいため、「ナイトガード」と呼ばれるマウスピースの作製が有効です。寝る前にナイトガードを装着することで、歯や顎関節への負担を大幅に軽減し、歯茎が受ける過度な圧力を分散させることができます。これにより、歯茎が下がるのを防ぐだけでなく、顎関節症の症状緩和や歯のすり減りを防ぐ効果も期待できます。これらの治療は、歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方にとって、歯茎の健康を守る上で非常に重要なアプローチとなります。
見た目を改善する:ヒアルロン酸注入やレジン充填
下がってしまった歯茎の見た目を気にされている方のために、外科的な処置以外で審美性を改善する方法もいくつかあります。
一つは「ヒアルロン酸注入」です。歯茎が下がって歯と歯の間にできた黒い三角形の隙間(ブラックトライアングル)は、見た目の印象を損ねることがあります。この隙間に歯科用のヒアルロン酸を注入することで、歯肉を盛り上げて隙間を目立たなくさせる方法です。比較的短時間で処置が可能ですが、効果は一時的なものであり、継続的な注入が必要になる場合が多いこと、またその効果については科学的根拠が限定的であるという点も理解しておくことが大切です。
もう一つは「レジン充填」です。歯茎が下がって露出した歯の根元部分は、黄色みがかって見えたり、知覚過敏の原因になったりします。この露出した部分を、歯の色に近い歯科用プラスチック(コンポジットレジン)で埋めることで、見た目を自然に整え、同時に知覚過敏の症状を軽減することができます。この方法は、比較的低侵襲で費用も抑えられることが多いため、露出した歯根の見た目と機能の両方を改善したい場合に選択肢の一つとなります。
歯茎下がりに関するよくある質問
これまで歯茎が下がる原因やリスク、予防法、そして歯科医院での治療法について詳しく解説してきました。このセクションでは、記事の本文では触れきれなかった、多くの方が疑問に思われる点についてQ&A形式で解説していきます。皆さんの不安を少しでも解消し、安心して次のステップへ進めるよう、分かりやすくお答えします。
Q1. 20代や30代でも歯茎は下がりますか?
はい、20代や30代といった若い世代の方でも歯茎が下がることは十分にあり得ます。歯茎の下がりは決して加齢だけの問題ではありません。加齢が原因で歯茎が下がったとされている方の中には、実は長年の生活習慣が影響しているケースも少なくありません。
若い方の場合、主な原因として考えられるのは「強すぎるブラッシング(オーバーブラッシング)」です。毎日しっかり磨いているつもりでも、ゴシゴシと強い力で磨くことで、歯茎を傷つけてしまい、徐々に後退させてしまうことがあります。また、「歯並びの問題」も原因の一つです。歯並びが悪いと、特定の歯に過度な負担がかかったり、歯磨きがしにくくプラークが溜まりやすくなったりして、歯茎下がりを招くことがあります。
さらに、若いからといって無縁ではないのが「歯周病の初期段階」です。自覚症状が少ないうちから歯周病が進行し、歯茎が炎症を起こして下がってくるケースもあります。若いうちから正しいケア方法を身につけ、定期的に歯科医院で検診を受けることが、将来の歯茎の健康を守る上で非常に重要です。
Q2. 歯茎の治療は痛いですか?費用や保険は適用されますか?
歯茎の治療に対する「痛み」と「費用・保険」に関する不安は、多くの方が抱えている疑問かと思います。まず、治療中の痛みについては、ご安心ください。現在の歯科治療では、麻酔を適切に使用することで、治療中の痛みを最小限に抑えることが可能です。もちろん、処置の内容によっては多少の不快感が生じることもありますが、我慢できないほどの痛みではないことがほとんどです。遠慮せずに歯科医師やスタッフに痛みを伝えていただければ、麻酔の追加などの対応をしてもらえます。
次に費用と保険適用についてですが、これは治療内容によって異なります。歯周病の原因となるプラークや歯石を除去する「歯周基本治療(クリーニングや歯石除去など)」といった基本的な処置のほとんどは、健康保険が適用されます。そのため、比較的費用を抑えて治療を受けることが可能です。
一方、歯周病によって失われた歯槽骨や歯茎を再生させる「歯周組織再生療法」や、見た目を改善するための「歯肉移植術」といった専門的で高度な治療、あるいは見た目の改善を主目的とする治療の多くは、健康保険が適用されない自費診療となります。自費診療の場合、費用は全額自己負担となり、保険診療に比べて高額になる傾向があります。具体的な費用は症状の進行度や治療計画、歯科医院によって大きく異なりますので、治療を開始する前に必ずカウンセリングを受け、見積もりを確認するようにしましょう。
Q3. どのタイミングで歯科医院に相談すべきですか?
「気になった時が相談のタイミングです」という明確なメッセージをぜひお伝えしたいです。歯茎の下がりは、初期の段階では自覚症状が少ないこともありますが、「以前より歯が長くなった気がする」「冷たいものが少ししみるようになった」「歯と歯の間に隙間ができてきた」といった、どんな些細な変化でも気づいた時点で歯科医院を受診することをおすすめします。
これらのサインは、歯茎下がりやその原因となる歯周病の始まりである可能性があり、早期に専門家の診察を受けることで、進行を食い止めることができます。歯茎の下がりが軽度であればあるほど、治療の選択肢も広がり、比較的短期間で改善を目指せる可能性が高くなります。また、結果的に時間や費用の負担も少なく済むことが多いです。
「まだ大丈夫だろう」「忙しいから後で」と受診を先延ばしにしてしまうと、症状が進行し、より複雑で大掛かりな治療が必要になることも少なくありません。ご自身の歯の健康と、将来の快適な食生活、そして自信の持てる笑顔のために、少しでも不安を感じたら、迷わずに歯科医院に相談してください。専門医があなたの口内の状態を正確に診断し、最適な治療計画を提案してくれるでしょう。
まとめ:気になる歯茎下がりは早めの相談を。原因を知って自信の持てる口元へ
歯茎が下がるというお悩みは、決して見た目だけの問題ではありません。知覚過敏や虫歯、口臭といった日常の不快感につながるだけでなく、最終的には歯を失う可能性もある、とても重要な口内トラブルです。
この記事では、歯茎が下がる原因が加齢だけでなく、歯周病の進行、強すぎるブラッシング、歯ぎしり・食いしばり、生活習慣、そして歯並びの問題など、多岐にわたることを詳しく解説しました。
セルフケアでこれ以上の進行を防ぐことは可能ですが、一度下がってしまった歯茎や失われた骨は、ご自身のケアだけで元に戻すのは非常に難しいのが現状です。だからこそ、気になる症状がある場合は、できるだけ早く歯科医院へ相談することが何よりも大切になります。
歯科医院では、専門的なクリーニングで原因となる歯周病菌を取り除いたり、進行状況に応じて歯肉の移植や再生療法、噛み合わせの調整など、最適な治療法を提案してもらえます。早期に専門家の力を借りることで、症状の悪化を防ぎ、治療の選択肢を広げ、結果として時間や費用の負担を減らすことにもつながります。
「老けて見える」「しみるのが辛い」といった不安を抱え込まず、まずは一歩踏み出して歯科医院を受診してみませんか。原因を正しく知り、適切なケアと治療を行うことで、将来の歯の健康を守り、自信を持って笑える素敵な口元を取り戻しましょう。
少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
監修者
日本歯科大学卒業後、医療法人社団学而会 永田歯科医院勤務、医療法人社団弘進会 宮田歯科医院に勤務し、
医療法人社団ビーズメディカル いわぶち歯科開業
【所属】
・日本口腔インプラント学会 専門医
・日本外傷歯学会 認定医
・厚生労働省認定臨床研修指導歯科医
・文京区立金富小学校学校歯科医
【略歴】
・日本歯科大学 卒業
・医療法人社団学而会 永田歯科医院 勤務
・医療法人社団弘進会 宮田歯科医院 勤務
・医療法人社団 ビーズメディカルいわぶち歯科 開業
文京区後楽園駅・飯田橋駅から徒歩5分の歯医者
『文京いわぶち歯科・矯正歯科』
住所:東京都文京区後楽2丁目19−14 グローリアス3 1F
TEL:03-3813-3918




















