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歯ぎしりの種類は3つ?原因とそれぞれの違いを分かりやすく解説

歯ぎしりの種類は3つ?原因とそれぞれの違いを分かりやすく解説 文京区後楽園駅・飯田橋駅から徒歩5分の歯医者・矯正歯科「文京いわぶち歯科・矯正歯科」です。

寝ている間に「歯ぎしりをしているよ」とご家族から指摘されたり、朝起きたときに顎やこめかみがだるく感じたりすることはありませんか。もしかしたら、それは無意識のうちに行われている歯ぎしりが原因かもしれません。歯ぎしりは単なる癖だと軽視されがちですが、放置すると歯の損傷、顎関節症、さらには頭痛や肩こりといった全身の不調につながることもあります。この記事では、歯ぎしりの主な3つの種類とそれぞれの特徴、考えられる原因、そして身体に及ぼす影響について、専門的な内容を分かりやすい言葉で解説します。さらに、歯科医院で受けられる治療法から、ご自身で今すぐに始められる対策まで網羅的にご紹介します。

もしかして私も?歯ぎしり・食いしばりのサインとは

歯ぎしりや食いしばりは、ご自身では気づきにくい無意識の癖であることがほとんどです。しかし、実はさまざまなサインが身体に現れています。まず、最も分かりやすいサインの一つは、ご家族から「寝ている間にギリギリと音がする」と指摘されることです。音を伴う歯ぎしりは、比較的他者にも気づかれやすい症状と言えるでしょう。

次に、朝起きたときに感じられる自覚症状も重要なサインです。顎の関節や頬の筋肉、こめかみに痛みやだるさを感じる場合、夜間に強い力が加わっていた可能性があります。また、原因不明の頭痛や慢性的な肩こりも、顎周りの筋肉の緊張が引き起こしているケースが少なくありません。これらは、睡眠中に無意識に歯を食いしばったり、すり合わせたりしていることと深く関連していることがあります。

さらに、口の中にも歯ぎしりや食いしばりの痕跡が残ることがあります。ご自身の歯を見て、全体的にすり減って平らになっている、特定の歯の先端が欠けている、または細かなひびが入っているといった症状が見られる場合は注意が必要です。また、歯茎が下がって歯の根元が露出し、冷たいものがしみる「知覚過敏」も歯ぎしりが原因で悪化することがあります。他にも、頬の内側の粘膜や舌の側面に、歯の形に沿った跡がついている場合は、日中も含めて無意識に歯を強く押し当てているサインかもしれません。これらのサインに心当たりがある場合は、一度ご自身の歯ぎしりや食いしばりを疑ってみることをおすすめします。

歯ぎしり(ブラキシズム)とは?睡眠中だけではない無意識の癖

歯ぎしりとは、医学的には「ブラキシズム」と呼ばれる、歯をこすり合わせたり、強く噛みしめたりする無意識の癖の総称です。多くの人が「歯ぎしり」と聞くと、寝ている間に歯を「ギリギリ」と鳴らすイメージを持つかもしれませんが、実はブラキシズムはそれだけではありません。程度の差こそあれ、ほぼ全ての人が多かれ少なかれ歯ぎしりや食いしばりをしていると言われています。そのため、過度に不安になる必要はなく、誰もが持つ可能性のある癖として理解することが大切です。

ブラキシズムは、睡眠中だけでなく、日中の覚醒時にも無意識に行われることがあります。特に、仕事や家事に集中しているとき、重い荷物を持っているとき、あるいは精神的な緊張状態にあるときなどに、無意識に歯を強く食いしばっていることは少なくありません。このように、歯ぎしりは睡眠時だけの問題ではなく、日中の活動中にも現れる無意識の癖であり、その種類や状況を理解することが、適切な対策を講じる第一歩となります。

あなたはどのタイプ?歯ぎしりの主な3つの種類と特徴

歯ぎしり、あるいはブラキシズムは、一見するとどれも同じように思えるかもしれません。しかし、実はその動き方によって主に3つのタイプに分類できます。それは「グラインディング」「クレンチング」「タッピング」です。これからそれぞれのタイプがどのような動きで、どのような特徴を持っているのかを詳しく見ていきましょう。ご自身の症状がどのタイプに当てはまるのかを考えながら読み進めていただくことで、より適切な対処法を見つけるきっかけになるはずです。

グラインディング:横にギリギリと歯をすり合わせる

グラインディングは、上下の歯を強く接触させ、横方向にギリギリとこすり合わせる動きを指します。一般的に「歯ぎしり」と聞いて多くの人がイメージするのは、このタイプでしょう。特に睡眠中に無意識に行われることが多く、周囲に「ギリギリ」という不快な音を発生させることが特徴です。

このグラインディングが歯に与える影響は非常に大きく、強い力で歯がこすり合わされるため、歯の最も外側にある硬いエナメル質が徐々にすり減っていきます。歯の摩耗が進行すると、歯の高さが低くなったり、歯の表面が平らになったりするだけでなく、歯の内部にある象牙質が露出し、冷たいものや熱いものがしみやすくなる知覚過敏を引き起こすリスクが、3つのタイプの中で最も高いと言えます。

クレンチング:音を立てずにグッと歯を食いしばる

クレンチングは、音を立てずに上下の歯を強く「グッ」と噛みしめる動きのことを言います。グラインディングのように音がしないため、本人も周囲も気づきにくく、自覚症状がないまま進行しているケースが非常に多いのが特徴です。特に、日中の仕事や家事に集中している時、あるいは緊張している時などに無意識に行われている「食いしばり」が、このクレンチングにあたります。

この無音の食いしばりは、歯に割れやひびが入るリスクを高めるだけでなく、顎の筋肉(咬筋)や顎関節に非常に大きな負担をかけます。その結果、原因不明の頭痛や肩こり、そして口を開けにくい、顎が痛むといった顎関節症の主な原因となることがあります。音が出ないからといって軽視せず、日中のご自身の癖として注意を払うことが重要です。

タッピング:歯をカチカチと小刻みに鳴らす

タッピングは、上下の歯を「カチカチ」と小刻みにぶつけ合う動きを指します。グラインディングやクレンチングと比較すると発生頻度は低いとされていますが、睡眠中や日中の緊張時に起こることがあります。寒くて震えている時に歯がカチカチ鳴るような状態をイメージすると分かりやすいかもしれません。

このタッピングは、グラインディングのように持続的なすり合わせや、クレンチングのような強い噛み締めではありません。しかし、歯や歯の根、顎関節に瞬間的な衝撃が繰り返し加わることで、微細なダメージを与えたり、過去に治療した詰め物や被せ物が取れる原因になったりする可能性があります。一見すると軽微な動きに思えますが、繰り返される衝撃は歯の健康に影響を与えることがあるため注意が必要です。

なぜ歯ぎしりは起こるのか?考えられる主な原因

歯ぎしりの原因は一つに特定されているわけではなく、実は複数の要因が複雑に絡み合って起こると考えられています。そのため、ご自身の歯ぎしりがどのタイプで、何が原因となっているのかを知ることは、適切な対策を見つけるための大切な第一歩となるでしょう。ここでは、歯ぎしりを引き起こす主な原因として、「ストレスなどの精神的要因」「噛み合わせの問題」「生活習慣」の3つを詳しく見ていきます。

ストレスや不安などの精神的な要因

歯ぎしりの最も大きな原因として挙げられるのが、ストレスです。仕事でのプレッシャーや人間関係、家庭での悩みなど、日常生活で感じる精神的なストレスや不安、緊張は、気づかないうちに脳を興奮させ、睡眠中に顎の筋肉を過度に緊張させてしまうことがあります。日中に溜め込んだストレスを、夜間の睡眠中に歯ぎしりという形で発散しようとすることがあります。意識とは関係なく体が反応してしまうため、ご自身ではコントロールしにくいのが特徴です。このストレスが引き起こす歯ぎしりは、睡眠の質を低下させるだけでなく、朝起きたときの顎の痛みや倦怠感にもつながることがあります。

噛み合わせの不一致や歯並びの問題

歯ぎしりの物理的な原因として、噛み合わせの不一致や歯並びの問題も挙げられることがあります。例えば、以前治療した詰め物や被せ物の高さがわずかに合っていなかったり、生まれつきの歯並びによって特定の歯だけが強く当たっていたりする場合、脳がその不安定な噛み合わせを無意識のうちに修正しようとします。その結果、安定する位置を探すために歯をすり合わせる動き、つまり歯ぎしりが誘発されるという説があります。

しかし、近年では噛み合わせだけが歯ぎしりの主原因であるという考え方は主流ではなくなりつつあります。多くの歯科医師は、噛み合わせの問題も歯ぎしりの一因とはなり得るものの、ストレスや生活習慣といった他の要因と複合的に関わっていることがほとんどだと考えています。そのため、噛み合わせの調整だけで歯ぎしりが完全に解決するわけではなく、多角的なアプローチが必要となるケースが多いでしょう。

飲酒、喫煙、カフェインなどの生活習慣

私たちの何気ない生活習慣も、歯ぎしりを誘発したり悪化させたりする可能性があります。特に注意したいのが、アルコール、喫煙(ニコチン)、カフェインの摂取です。アルコールは、摂取直後はリラックス効果があるように感じられますが、体内で分解される過程で交感神経を刺激し、睡眠の質を低下させてしまうことがあります。眠りが浅くなることで、無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりが起こりやすくなるのです。

同様に、ニコチンやカフェインも覚醒作用があるため、就寝前の摂取は眠りを浅くし、結果として歯ぎしりを誘発・悪化させる原因となります。これらの物質は、脳の興奮状態を長引かせ、睡眠中の筋肉の活動を活発にしてしまう可能性があるため、できる限り就寝前の摂取を控えることが、歯ぎしり対策の一つとして非常に有効だと言えるでしょう。

放置は危険!歯ぎしりが引き起こす身体への悪影響

「たかが歯ぎしり」と軽く考えていませんか?睡眠中や日中に無意識に行われる歯ぎしりや食いしばりは、歯や顎だけでなく、全身に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。日々の忙しさから自分の体のサインを見過ごしてしまいがちですが、もし歯ぎしりを放置してしまうと、歯がすり減ったり欠けたりする直接的なダメージから、顎関節症や原因不明の頭痛、さらには歯周病の悪化に至るまで、想像以上に深刻な問題を引き起こしかねません。早期の対策がいかに重要であるかを理解し、これから具体的にどのような悪影響があるのかを詳しく見ていきましょう。

歯がすり減る・欠ける・しみる(知覚過敏)

歯ぎしりが歯に与える最も直接的で分かりやすいダメージは、歯がすり減ったり、欠けたりすることです。人間の噛む力は想像以上に強く、意識的にコントロールできない睡眠中や集中時には、その力がさらに増大することが知られています。特にグラインディング(歯を横にすり合わせる歯ぎしり)の場合、上下の歯が強くこすり合わされることで、歯の最も外側にある硬いエナメル質が徐々に摩耗していきます。

エナメル質が削れて内部の象牙質が露出すると、歯が短くなったり、見た目が平らになったりするだけでなく、象牙質を通じて刺激が神経に伝わりやすくなります。これにより、冷たいものや熱いものが歯にしみる「知覚過敏」の症状が現れることがあります。放置すればするほど歯の損傷は進み、知覚過敏が悪化するだけでなく、最終的には歯の神経にまで影響が及ぶ可能性もあります。

顎関節症のリスクと頭痛・肩こりとの関連

歯ぎしりや食いしばりは、歯だけでなく顎やその周辺、さらには全身にまで影響を及ぼします。持続的な過剰な力は、顎の関節である顎関節や、噛むときに使う筋肉(咬筋、側頭筋など)に多大な負担をかけます。その結果、「口が大きく開けられない」「顎を動かすと痛みがある」「顎からカクカク、ジャリジャリと音がする」といった、顎関節症の典型的な症状を引き起こすリスクを高めてしまうのです。

さらに、顎周りの筋肉の緊張は、頭の側面にある側頭筋や、首、肩の筋肉へと波及していきます。これにより、多くの人が経験する原因不明の緊張型頭痛や、慢性的な肩こりの原因となることがあります。特に、日中に集中しているときに無意識に食いしばる癖がある方は、常に顎周りの筋肉が緊張している状態のため、頭痛や肩こりを悪化させている可能性が高いでしょう。このような症状に悩まされている場合、歯ぎしりがその根本的な原因となっていることも少なくありません。

詰め物や被せ物が取れる・壊れる

過去に虫歯治療で入れた詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)も、歯ぎしりの強力な影響からは逃れられません。これらの修復物は天然の歯と同等か、場合によってはそれ以上の硬さを持つ素材で作られていますが、睡眠中や無意識下での歯ぎしりによる持続的な強い力の前では、破損のリスクが高まります。特に、セラミックなどの硬くてもろい素材は、強い衝撃が加わると割れたり欠けたりしやすい傾向があります。

また、歯と修復物の境目に力が繰り返し加わることで、接着が剥がれて詰め物や被せ物が外れてしまうことも珍しくありません。これにより、再度治療が必要となり、時間的にも経済的にも大きな負担がかかることになります。せっかく治療した歯を長持ちさせるためにも、歯ぎしりへの対策は非常に重要なのです。

歯周病の悪化や顔貌の変化

歯ぎしりは、見た目や歯ぐきといった、見過ごされがちな部分にも悪影響を及ぼします。歯ぎしりによる過剰な力は、歯を支えている骨や歯ぐき(歯周組織)にダメージを与え、歯周病の進行を早めてしまうリスクがあります。もしすでに歯周病を患っている場合、歯ぎしりの力が加わることで歯の揺れが大きくなり、最悪の場合は歯を失う原因にもなりかねません。

また、美容面への影響として、噛むための筋肉である「咬筋」が歯ぎしりによって過剰に鍛えられ、筋トレのように肥大化してしまうことがあります。これにより、エラが張ったように見え、顔の輪郭が四角く変わってしまう「顔貌の変化」が起こる可能性も指摘されています。見た目だけでなく、全身の健康にも関わる歯ぎしりは、放置せずに対策を考えることが大切です。

歯ぎしりの治療法と自分でできる対策

歯ぎしりの原因は一つに特定しにくく、複合的な要因が絡み合って起こることがほとんどです。そのため、歯ぎしりを完全に「完治」させることは難しいと言われることがあります。しかし、症状をコントロールし、大切な歯や顎へのダメージを未然に防ぐための有効な方法はたくさんあります。このセクションでは、歯科医院で受けられる専門的な治療法と、日々の生活の中でご自身で取り組めるセルフケアの両方をご紹介します。

歯科医院で行う専門的な治療法

歯科医院で行われる歯ぎしり治療の主な目的は、歯ぎしりそのものを根本からなくすことよりも、歯ぎしりによって歯や顎にかかる過度な力を和らげ、ダメージから守ることにあります。これは「対症療法」と呼ばれ、現在の症状を緩和し、悪化を防ぐためのアプローチです。これからご紹介する専門的な治療法には、最も一般的な「マウスピース(ナイトガード)」の装着のほか、「噛み合わせの調整」や、近年注目されている「ボツリヌス治療」などがあります。

マウスピース(ナイトガード)による歯の保護

歯ぎしりの治療法として最も一般的で広く行われているのが、マウスピース、特に「ナイトガード」と呼ばれる装置の装着です。この治療法の第一の目的は、多くの方が誤解しがちな「歯ぎしり自体を止めること」ではありません。ナイトガードは、寝ている間に装着することで、上下の歯が直接すり合わされるのを防ぎ、歯がすり減ったり欠けたりするのを守る役割を果たします。

また、歯や顎にかかる非常に強い力を分散・緩和させることで、顎関節や周囲の筋肉への負担を軽減します。歯科医院で製作するナイトガードは、患者さん一人ひとりの歯型に合わせて作られるオーダーメイドのため、市販されている簡易的なものとはフィット感が全く異なります。ぴったりと合うことで、効果を最大限に発揮し、快適に装着を続けられます。

保険適用で作られることの多い「ハードタイプ」のナイトガードは、厚みがあり耐久性に優れているため、歯をしっかりと保護し、噛み合わせを安定させる上で非常に効果的です。継続的に使用することで、歯ぎしりによる様々な悪影響から大切な歯と顎を守ることができるでしょう。

噛み合わせの調整

専門的な歯ぎしり治療の一つに「噛み合わせの調整」があります。これは、歯ぎしりの原因が噛み合わせの不調和にあると考えられる場合に選択される治療法です。具体的には、虫歯治療で入れた詰め物や被せ物の高さがわずかに合っていなかったり、歯並びの問題で特定の歯だけが強く当たっていたりする箇所を特定し、その部分の歯を非常にわずかな量だけ削ったり、修復物の高さを調整したりすることで、全体の噛み合わせを均等に整える処置です。

噛み合わせを均一にすることで、特定の歯や顎関節に集中していた負担を分散させ、歯ぎしりの誘発要因を減らすことを目指します。ただし、この治療法だけで歯ぎしりが完全に解消されるわけではないことを理解しておくことが重要です。また、健康な歯を削る可能性もあるため、非常に精密な診断と技術が求められ、慎重に行われるべき治療法です。

ボツリヌス治療(ボトックス注射)

歯ぎしりの治療法として、近年注目を集めているのが「ボツリヌス治療」です。これは、美容医療でシワ改善などに用いられるボトックス注射と原理は同じで、歯ぎしりや食いしばりの際に強く働く咬筋(噛む筋肉)にボツリヌス製剤を注射することで、筋肉の過剰な働きを一時的に弱める治療法です。

筋肉の緊張が緩和されることで、歯ぎしりや食いしばりの力が弱まり、それによって引き起こされる歯のダメージや顎関節への負担、さらには肩こりや頭痛といった症状の緩和が期待できます。特に、音が出ないため自覚しにくいクレンチング(食いしばり)タイプの歯ぎしりや、マウスピースの装着がどうしても困難な方に有効な選択肢となり得ます。

ただし、効果は永続的なものではなく、通常数ヶ月で徐々に元に戻るため、効果を維持するには定期的な施術が必要です。また、保険適用外の自由診療となるため費用が高額になることや、一時的に噛む力が弱まる、稀に表情に影響が出るなどの副作用の可能性についても、事前に医師としっかり相談し、メリットとデメリットを理解した上で選択することが大切です。

今日から始められるセルフケア

歯科医院での専門的な治療を受けることはもちろん重要ですが、日々の生活の中でご自身で意識的にセルフケアを取り入れることも、歯ぎしりの症状を和らげ、悪化を防ぐ上で非常に効果的です。このセクションでは、今日からすぐに実践できる「ストレス対策」「筋肉のマッサージ」「日中の癖の改善」といった、誰でも簡単に始められる具体的な方法をご紹介します。

ストレスを溜めない工夫とリラックス法

歯ぎしりの最も大きな原因の一つとして、ストレスが挙げられます。そのため、セルフケアの柱として、日々の生活でストレスを上手に管理し、解消することが非常に大切です。ご自身に合ったストレス解消法を見つけ、積極的に取り入れるようにしましょう。例えば、ウォーキングや軽いジョギングなどの適度な運動は、全身の血行を促進し、気分転換にもつながります。また、好きな音楽を聴いたり、読書に没頭したり、ゆっくりと映画を鑑賞したりする趣味の時間を設けることも良いでしょう。ぬるめのお湯にゆっくりと浸かる入浴は、心身の緊張をほぐし、リラックス効果を高めてくれます。

特に、就寝前に意識的にリラックスする時間を作ることは、睡眠中の歯ぎしり軽減につながります。交感神経が優位になりがちな一日の終わりに、副交感神経を優位にさせる工夫を取り入れてみてください。例えば、簡単な深呼吸を繰り返す、軽いストレッチで体をほぐす、アロマテラピーで心地よい香りに包まれるといった方法がおすすめです。これらの習慣は、睡眠の質を高め、結果的に歯ぎしりの軽減にもつながると考えられます。

頬の筋肉のマッサージ

歯ぎしりや食いしばりは、顎の周りの筋肉に大きな負担をかけ、硬くこわばらせてしまいます。この筋肉の緊張を和らげるには、ご自身でマッサージを行うことが効果的です。マッサージの対象となる主な筋肉は、頬骨の下あたりにある「咬筋」と、こめかみ部分にある「側頭筋」です。これらの筋肉を優しくほぐすことで、顎の負担を軽減し、歯ぎしりの症状緩和につながります。

具体的なマッサージの手順としては、まず清潔な指の腹を使い、咬筋や側頭筋に当てます。そして、痛気持ちいいと感じる程度の強さで、円を描くようにゆっくりと優しくほぐしていきます。この際、口を少し開けた状態で行うと、筋肉が緩みやすくなり、より効果的なマッサージができます。お風呂上がりなど、体が温まり血行が良くなっている時に行うと、筋肉がほぐれやすいため特におすすめです。日々の習慣として取り入れることで、筋肉の緊張が和らぎ、顎のだるさや痛みの軽減が期待できるでしょう。

TCH(歯列接触癖)を意識して改善する

日中の無意識の癖として、歯ぎしりと同じくらい問題となるのが「TCH(Tooth Contacting Habit:歯列接触癖)」です。これは、食事や会話の時以外にも、上下の歯を持続的に接触させてしまう癖のことを指します。本来、リラックスしている状態では、唇は閉じていても上下の歯の間にはわずかな隙間(安静空隙)があるのが正常です。

しかし、TCHがある方は、集中している時やストレスを感じている時に無意識に歯を接触させてしまい、これが顎の筋肉に常に負担をかける原因となります。この癖に気づき、改善するための具体的な方法として、ご自身の身の回り、例えばPCのモニターやスマートフォンの画面など、日常的に目にする場所に「歯を離す」「力を抜く」といった内容のメモを貼ることをお勧めします。このメモを見るたびに、上下の歯が接触していないか意識的にチェックし、力を抜く習慣をつけるようにしましょう。

TCHを意識して改善することは、日中のクレンチング(食いしばり)を防ぎ、顎の筋肉の負担を大幅に減らすことにつながります。夜間の歯ぎしりにも良い影響を与える可能性があるため、ぜひ試してみてください。

歯ぎしりが気になったら歯科医院へ相談を

もしかして、私も歯ぎしりをしているかもしれない、とこの記事を読んで心当たりがあった方もいらっしゃるかもしれません。ご家族から「寝ている間に歯をギリギリ鳴らしているよ」と指摘されたり、朝起きた時に顎やこめかみに痛みやだるさを感じたりした場合は、自己判断で様子を見ずに、まずは歯科医院を受診して専門家の診断を受けることが非常に大切です。

歯科医院では、まず問診を通じて日頃の生活習慣や自覚症状を詳しくお伺いします。その後、お口の中を診査し、歯のすり減り具合や欠け、詰め物・被せ物の状態、頬の内側や舌にできる歯の跡、顎関節の状態などを総合的に評価します。これにより、ご自身の歯ぎしりがどのタイプに当てはまるのか、そして歯や顎にどの程度のダメージが及んでいるのかを正確に評価することが可能です。

ご自身の歯ぎしりの種類や原因が分かれば、それに応じた最適な治療法やセルフケアの方法を提案してもらえます。例えば、夜間の歯ぎしりにはマウスピース(ナイトガード)の作成、日中の食いしばりにはTCH(歯列接触癖)の改善指導など、一人ひとりに合わせた具体的なアプローチが可能です。不安を抱え込まずに専門家に相談することが、症状の悪化を防ぎ、将来の歯の健康を守るための最も確実な一歩となるでしょう。

まとめ:自分の歯ぎしりの種類と原因を知り、適切な対策を始めよう

歯ぎしりには「グラインディング」「クレンチング」「タッピング」という主に3つの種類があり、それぞれ歯や顎への影響が異なります。その原因は、ストレスや噛み合わせの不調和、飲酒・喫煙・カフェイン摂取といった生活習慣など、一つに特定できない複数の要因が複雑に絡み合って起こるものです。そして、歯ぎしりを放置してしまうと、歯がすり減ったり欠けたりするだけでなく、顎関節症や頭痛、肩こりの原因となり、さらには歯周病の悪化や顔貌の変化にまでつながる可能性があることをご紹介しました。

歯ぎしりはほとんどが無意識下で行われる癖のため、ご自身だけで完全にコントロールすることは難しいかもしれません。しかし、この記事で解説したように、ご自身の歯ぎしりの種類や根本的な原因を理解し、歯科医師などの専門家と相談しながら、マウスピースによる歯の保護、噛み合わせの調整、そしてストレス管理やマッサージといった日常生活でのセルフケアを適切に講じることで、その悪影響を最小限に抑えることができます。この記事をきっかけに、ご自身の歯ぎしりの状態と向き合い、未来の健康な歯と体を守るための一歩を踏み出していただければ幸いです。

少しでも参考になれば幸いです。 最後までお読みいただきありがとうございます。  

監修者

岩渕 雅諭 | Iwabuchi Masatoshi 日本歯科大学卒業後、医療法人社団学而会 永田歯科医院勤務、医療法人社団弘進会 宮田歯科医院に勤務し、 医療法人社団ビーズメディカル いわぶち歯科開業 【所属】 ・日本口腔インプラント学会 専門医 ・日本外傷歯学会 認定医 ・厚生労働省認定臨床研修指導歯科医文京区立金富小学校学校歯科医 【略歴】 ・日本歯科大学 卒業医療法人社団学而会 永田歯科医院 勤務 ・医療法人社団弘進会 宮田歯科医院 勤務 ・医療法人社団 ビーズメディカルいわぶち歯科 開業   文京区後楽園駅・飯田橋駅から徒歩5分の歯医者 文京いわぶち歯科・矯正歯科 住所:東京都文京区後楽2丁目19−14 グローリアス3 1F TEL:03-3813-3918